うま味最高!!「Umami」「うま味」「旨味」と味覚障害

所属している団体の「全国保険医新聞」で面白い報告記事を見つけたのでご紹介します。
端的に言えば、高齢者の食欲不振による体力低下を防ぐには味覚障害・ドライマウスを治すべき。味覚異常・ドライマウスの改善には「旨味」の摂取が効果的…というもの。
そもそも、古くから甘味・塩味・酸味・苦味の4味は言われていたが110年前に日本人が5味目の「旨味」を発見。しかし欧米の研究者はこれを認めず、2000年に「旨味の受容体」がアメリカで発見され「Umami」として世界語になり研究も加速度的に進んできたそうです。これにはびっくりしましたが、「海外旅行に行ってもやっぱり日本の食事がおいしい」と良く聞くし自分でもそう思っているのは、単に昔から食べているものというだけでなく「カツオ節や昆布で取った出しで料理する料理がおいしい」という事ではないかと妙に納得しました!
お口が渇いて食べにくい、しゃべりにくい、味がおかしい…という患者さんには早速昆布のだし汁を勧めてみましょう!!
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<以下記事の詳細(といっても短縮版)> お時間ある方はどうぞお読みください。

近年高齢化に伴い味覚障害を訴える患者が年々増加しており、味覚障害から食欲不振に陥り体力が低下する事例が多くみられるようになった。実際に自律的な生活をしている平均80歳の方を調べると、7%に味覚障害がありうち2割しか自覚がない。そこで平均20歳の大学生を調べたが25%に味覚異常があり、若年者も例外ではない実態がわかった。
味覚障害の原因は①薬剤性②栄養障害(亜鉛欠乏を含む)③全身性④口腔疾患があるが、味覚障害患者の多くにドライマウスの傾向があることが分かった。
そこで味覚障害者に唾液を増やす治療が有効であると思い研究した。本来唾液は1日1~1.5リットル分泌されるので唾液腺マッサージを勧めるがこれは大きな唾液腺に関するものである。小唾液腺は出す唾液の量は全体の10分の1の量であるが、口腔粘膜すべてに存在し、特に味覚に関する舌にある味蕾の回りなどは味蕾を潤すために小唾液腺が多く存在する。そこから唾液がたくさん出るようにするには梅干しやレモンがあるが、たくさん出るものの持続が難しい。ところが旨味は酸味よりたくさんの唾液を反射的に分泌させしかも長く持続することが分かった。(笹野高嗣東北大名誉教授の講演より)

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まつうら歯科 院長 松浦 美智子

2018-11-15 | Posted in スタッフブログComments Closed 

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